ワンクリック登録解除の正しい作り方とNG例|List-Unsubscribe ヘッダーとBrevoでの考え方

この記事でできること

自社のメールの配信停止(登録解除)が「正しい作り」になっているかを、受信者の操作・メールヘッダー・解除後の処理の3つの観点で確認できます。NG例を先に示し、Brevo で送る場合に自動で満たされる項目と、自分で崩さないよう気をつける項目を分けて説明します。


なぜ必要か

配信停止が面倒だと、受信者はリンクを探す代わりに「迷惑メールを報告」ボタンを押します。迷惑メール報告は受信者にとって1クリックで、送信者にとっては迷惑メール率の悪化、つまり他のすべての受信者への到達率低下につながります。配信停止を簡単にすることは、親切ではなく自衛です。

2024年2月以降、Google と Yahoo は1日5,000通を超える送信者に対して、マーケティングメールと購読メールでワンクリック登録解除をサポートすることを求めています。Google のガイドラインは、送信メールに2つのヘッダーを含めるよう指示し、RFC 8058 を参照しています。Microsoft(Outlook.com)も2025年に同様の基準を発表しました。詳しい要件一覧はGmail・Yahooの送信者ガイドライン対応チェックリストにまとめています。

重要: 日本の特定電子メール法でも、受信拒否の通知を受けたら以後の送信は禁止で、拒否の連絡先(メールアドレスまたは URL)の表示が義務です。ワンクリック解除は「法律で足りる最低限」ではなく、「迷惑メール報告をされない作り」として考えてください。


登録解除の NG 例

NG例何が起きるか
解除にログインが必要パスワードを忘れた受信者は解除をあきらめ、迷惑メール報告に流れる。Google の要件(1クリック)も満たさない
解除ページでメールアドレスの再入力を求めるどのアドレスで登録したか分からない人が解除できない。転送先で読んでいる人は特に困る
「解除の確認メールを送りました。メール内のリンクを押してください」2段階になり、確認メールが迷惑メールに入れば解除できない
「反映まで最大10営業日かかります」その間に届いたメールが迷惑メール報告を生む。Yahoo は2日以内の反映を求めている
解除リンクがフッターの極小文字・背景と同色見つけられず報告される。意図的に隠す行為はポリシー違反にもなる
解除したのに別のリスト・別の部署から届く受信者から見れば「解除が効かない会社」。報告と法令違反のリスク
「返信で unsubscribe と書いてください」だけ返信を人が処理する運用は漏れる。URL の提示もない場合は特定電子メール法の表示義務を満たさない
解除リンクが期限切れ・配信ツール変更で無効古いメールから解除しようとした人が行き止まりになる
解除ページで「本当に解除しますか?」→「理由を教えてください(必須)」→「解除」必須項目を挟むたびに離脱し、報告に流れる。アンケートは任意にして解除後に出す
取引メール(注文確認など)に宣伝を混ぜて「解除不可」にする宣伝が入った時点でマーケティングメール扱い。解除手段がないと要件違反

正しい作り方(3つの観点)

観点1:受信者の操作

  • 本文の見える場所に配信停止リンクがある(フッターで構わないが、本文と同じ文字サイズ・十分なコントラスト)
  • リンクを押すとログインも入力もなく解除が完了し、「解除しました」とだけ表示される
  • 解除後のページに「配信頻度を減らす」「他のジャンルだけ受け取る」の任意の選択肢や、任意の理由アンケートを置くのは問題ない。解除の前に挟まない
  • 解除はその会社からのマーケティングメール全体に効く。リスト単位の解除を提供するなら「すべて解除」も並べる

観点2:メールヘッダー(受信者には見えない部分)

Gmail の「登録解除」ボタン(件名の横に出るもの)は、本文のリンクではなく、メールヘッダーを見て表示されます。必要なのは次の2つです。

List-Unsubscribe: <mailto:unsubscribe@example.com?subject=unsub>, <https://example.com/unsub/abc123>
List-Unsubscribe-Post: List-Unsubscribe=One-Click
  • List-Unsubscribe には HTTPS の URL を入れる(mailto も併記できる)
  • List-Unsubscribe-Post が「ワンクリック」の印。受信側(Gmail など)はこの URL に POST リクエストを送るだけで解除が完了することを期待する
  • POST を受けた URL が確認ページにリダイレクトしたり、もう1クリックを要求したりすると、ワンクリックの条件を満たさない(RFC 8058)
  • URL には受信者を特定するトークンを含め、第三者が他人を解除できないようにする

この2行は配信ツールが付けるものなので、自分で HTML を書く場合でも本文には書きません。自社開発の送信システムや、SMTP リレーで自前のメールを送っている場合は、送信プログラム側で付ける必要があります。

観点3:解除後の処理

  • 即時反映。受信側は2日以内を求めるが、実際には即時にして「解除したのに届いた」をゼロにする
  • 解除した人を削除ではなく「解除済み」として保持する。削除するとインポート時に復活して再送する事故が起きる
  • 複数のツール(配信ツール、CRM、EC サイト)で同じ人を管理しているなら、解除をすべてに同期する。同期が無理なら、配信元を1つに絞る
  • 解除した人の再登録は、本人の明示的な再登録操作があった場合のみ。担当者の判断で戻さない

登録解除と迷惑メール報告の違い

登録解除迷惑メール報告
受信者の操作本文リンクか、Gmail の「登録解除」ボタン「迷惑メールを報告」ボタン
送信者への影響その人に送れなくなるだけ。評判には影響しない迷惑メール率が上がり、他の受信者への到達率が下がる
送信者が知る方法配信ツールの解除リストフィードバックループ(Yahoo・Microsoft など)か、Gmail は Postmaster Tools の迷惑メール率のみ
法的な扱い受信拒否の意思表示。以後の送信は違法同上に加え、受信側プロバイダのブロック対象になる

迷惑メール報告をした人は、Brevo のような配信ツールではフィードバックループを通じて自動的に配信停止になります。ただし Gmail は個別の報告者を送信者に通知しないため、Gmail の受信者が報告した場合、誰が報告したかは分からず、率だけが上がります。だからこそ、報告より先に解除を押してもらう作りが必要です。


Brevo での考え方

Brevo でキャンペーンを送る場合、上の3観点のうち多くは自動で満たされます。

項目Brevoでの扱い自分で守ること
本文の配信停止リンクドラッグ&ドロップエディタのフッターに標準で入る。削除しようとすると警告。HTML テンプレートでは {{ unsubscribe }} タグが必須で、無い場合は Brevo がフッターを自動追加消さない。文字を極小にしない
List-Unsubscribe ヘッダーキャンペーンメールとトランザクションメールに自動付与。Brevo のヘルプは、RFC 8058 のワンクリック登録解除への対応と本文の配信停止リンクを「Brevo が自動で対応しており、利用者側の対応は不要」な項目に挙げているなし
解除時の操作リンクを押すと Brevo の解除ページで完了。ログインや再入力はない解除ページを日本語にする(下の「解除ページの日本語化」を参照)
解除後の反映連絡先が「Unsubscribed(配信停止)」になり、以後のマーケティング配信から自動で除外解除済みの人を CSV インポートで上書きしない
部分的な解除「Update profile(プロフィール更新)」フォームを使うと、ジャンルや頻度の選択を提供できる完全解除のリンクも必ず残す
迷惑メール報告した人フィードバックループで自動的にブロックリストへ手動で戻さない
トランザクションメール配信停止の対象外。ただし「Automatically blocklist contacts from both your email campaigns and transactional emails」の設定で両方を止めることもできる取引メールに宣伝を混ぜない

注意: Brevo で「Blocklisted(ブロックリスト)」になった連絡先を管理画面から再購読させる操作は、本人が明示的に配信停止を求めた場合には違法になるとヘルプに明記されています。本人による再登録以外では使わないでください。

解除ページの日本語化

解除ページは「Settings(設定)」→「Campaigns(キャンペーン)」→「Unsubscribe pages(配信停止ページ)」で編集します。

  • 見出し・説明文・ボタン・完了メッセージ・エラーメッセージの文言をすべて日本語に変更できます。フォント・色・背景・画像も変えられ、タイトル・テキスト・画像・区切り線のブロックを並べ替えられます
  • Brevo は、送信する言語ごとに解除ページを作り、キャンペーンごとに選ぶことを勧めています。日本語版を作り、日本語のキャンペーンで選んでください
  • 解除するメールアドレスを表示する {EMAIL} のブロックは編集しないでください
  • 2025年4月18日から、解除ページには理由を尋ねるアンケートが自動で追加されています。表示されるのは解除が完了した後で、回答は任意です。選択肢は「受け取る必要がなくなった」「登録した覚えがない」「頻度が多すぎる」「内容が関係ない」「宣伝が多すぎる」の5つで、表示言語を選べます。回答はキャンペーンレポートの「Unsubscribes(配信停止)」タブで確認できます

解除の前に理由を必須で聞く作りにはならないので、上で説明したNG例には当たりません。


自分のメールで確認する手順

  1. Brevo から自分の Gmail アドレスにテスト送信する(テスト送信ではなく、自分だけのリストへの実配信のほうが本番と同じヘッダーになる)
  2. 受信したメールの件名の横、差出人名の右に「登録解除」ボタンが出ているか見る
  3. 右上メニュー →「メッセージのソースを表示」で List-Unsubscribe と List-Unsubscribe-Post の行を探す
  4. 本文の配信停止リンクを押し、ログインや入力なしで完了するか、日本語で表示されるかを見る
  5. Brevo の「Contacts(連絡先)」でそのアドレスが「Unsubscribed(配信停止)」になっているか確認する
  6. 解除したアドレスを含むリストに次のキャンペーンを送り、届かないことを確認する

ヒント: Brevo のヘルプはキャンペーンとトランザクションメールへの付与を明記しています。オートメーション(Workflow)から送るメールや、Brevo 以外の配信ツールから送るメールも、この手順3で List-Unsubscribe と List-Unsubscribe-Post の行があるかを一度確かめておくと安心です。List-Unsubscribe-Post が無い場合、1日5,000通超の送信者向けのワンクリック(POST)方式の要件を満たしません。


よくある疑問

Q. 解除リンクを押した人に「解除しました」のメールを送ってもよいですか? A. 送らないことを勧めます。解除した直後に届くメールは、内容にかかわらず報告されやすく、特定電子メール法上も「受信拒否後の送信」と受け取られかねません。完了はページ上の表示で足ります。

Q. ワンクリックだと、誤操作や迷惑メールフィルターの自動アクセスで勝手に解除されませんか? A. RFC 8058 は、解除は POST リクエストでのみ受け付け、GET(リンクを開くだけ)では解除しない設計を求めています。セキュリティ製品がリンクを自動で開いても解除されないのはこのためです。配信ツールがこの仕様に従っていれば、誤解除は起きにくくなります。

Q. メルマガは1日5,000通も送らないので、ワンクリック対応は不要ですか? A. 要件として必須なのは5,000通超の送信者ですが、「本文に分かりやすい配信停止リンク」はすべての送信者に求められます。また Brevo のように配信ツールが自動で付ける場合、送信量にかかわらず対応済みになります。

Q. BtoB の営業メールにも必要ですか? A. 必要です。特定電子メール法は個人・法人を問わず広告宣伝メールに適用され、受信拒否の手段の表示が義務です。Gmail・Yahoo の要件も、受信者が Gmail であれば BtoB・BtoC を区別しません。


出典(確認日:2026年10月28日)


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